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片翼のミケランジェロ Average 5 / 5 out of 1
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片翼のミケランジェロ raw (Katayoku no Michaelangelo raw):  1488年…後にルネサンスと呼ばれる時代。イタリアのフィレンツェに若き日のミケランジェロはいた。彼は当時の時世では地位が低く見られていた絵画や彫刻…手先の技術で一から何かをつくり出す「職人」に対して憧れを抱いていた。しかし裕福な身の上の彼は、父の決めた将来を拒めず、職人への道は閉ざされていた。そんなある日、彼に才能を見出した工房主のギルランダイオから弟子にと声をかけられる。後に「巨匠」とまで称される芸術家・ミケランジェロとしての人生が、今始まる――!!

 チェーザレに別れを告げ、フィレンツェに戻ったミケランジェロ。仲間達との再会もつかの間、またしてもレオナルドが彼の前に現れる。しばらくはフィレンツェに留まると言う彼に調子を狂わされるミケランジェロだった。
そんな中、フィレンツェの行政官から「ダヴィデ」モチーフの彫刻制作依頼が舞い込む。その彫刻を以って「フィレンツェ人の希望」としたいという願いを聞き、これまでの作品よりも遥かに規模の違う、国にとって重要な意味を持った依頼に物怖じしながらも、これこそが「芸術の高みに登っていく」ことなのだと自らを奮い立たせ、依頼を受け入れるのだった。

その最中、フィレンツェに異変が迫る。なんと、あのチェーザレが軍を率いてフィレンツェを制圧しに向かっていると言うのだ。イタリアの統一を目指すチェーザレにとって、これは逃れ得ぬ「宿命」…彼の人柄を知るミケランジェロは、抵抗しなければ無駄な血は流れないと思い行政官へ忠言するも、行政官はチェーザレに対し屈しない構えは崩さないと言う。さらには、ミケランジェロが造る「ダヴィデ」の像こそが、フィレンツェの国民を奮い立たせる希望の灯となるとまで言われてしまう。ミケランジェロはチェーザレの曲げられぬ「宿命」と同じ、自分の職人としての「宿命」を全うしようと図面を描き進めるのだった。

その一方で行政官はレオナルドに、チェーザレに取り入りフィレンツェとの橋渡しをしてくれないか、という依頼を出していた。当然フィレンツェには思い入れも何もないレオナルドは断ろうとするのだが…脳裏をかすめるのは「戦乱になればミケランジェロの『ダヴィデ』は完成しないかもしれない」ということ。レオナルドは、自分の内面にミケランジェロの新作を心待ちにしている部分を見つけ、深いため息をつきながら、チェーザレに取り入る役を買って出るのだった。